

2026.08.13
逗子・葉山は、“いのちめぐるまち”にしよう。藻場再生にむけて、研究者と実践者が持ち寄った最前線
[公開日:2026.10.21]
Text & edit:江澤哲哉
海のゆりかごを育むと同時に、地球温暖化をケアする「画期的なしくみ」を、いかにしてつくるか
「実はブルーカーボンって地球の中でも非常に炭素貯留能力が高いんです」
そう語るのは、Jブルークレジットのカーボンオフセット実務も務められている、今回の勉強会主催者の池田陸郎さん。
炭素貯留に私たちが着目すべき理由は、明らかです。日本はもちろん、世界各地で頻発化している極端な気象ーその裏には人間活動によって引き起こされている気候変動があります。
気候変動に関する政府間パネルIPCC第6次報告書によると、「人間の活動の影響によって大気・海洋・陸地が温暖化していることは疑う余地がない」と結論づけました。そして今月2日、国連環境計画(UNEP)は地球温暖化により今後数年以内に、産業革命前からの気温上昇が1.5度を超える見込みだとする報告書を発表。1.5度は世界で合意した目標ですが、このままでは今世紀末までに3度近く上昇するとされています。
さて、気温上昇を止めるためにはどうすればいいのでしょうか。
大学院大学至善館の副学長、教授であり、環境ジャーナリスト、翻訳家、幸せ経済社会研究所所長である枝廣淳子氏は、CO2やメタン、二酸化窒素などの温室効果ガスに着目し「温暖化を止めるために必要な3つのこと」の中でこのように表しています。
①これから出すCO2を減らしてゼロにする
②大気中に出てしまったCO2を回収する
③回収したCO2がふただひ大気中に戻っていかないように、固定化する
今回は②の回収と③の固定化にまつわる具体例としての「藻場再生」の最前線の現場に迫っていきます。
藻場(もば)は海の森とも言われる、多くの魚介類を育む“海のゆりかご”。漁業者にとっては命を生かすライフラインでありながら、さらに、環境省からもネイチャーポジティブの実現に向けて「“炭素貯留をする”ブルーカーボン生態系」として正式な文章が出ているほど重要視されている生態系の一つです。
生き物を増やしながら、温暖化をケアする仕組みーそんな画期的な機能が“藻場”(もば)にはありますが、実際、海の底の現場はどうなっているのでしょうか。

海の底、植え付け人、実験室。多面的な角度から見ていくプチ勉強会が逗子市・小坪漁港の傍の教室で開かれました。
集まったのは、ブルーカーボンの関係者、研究者から制度利用者、市の職員方まで。
「藻場の研究をしている大学院生の塩谷さんと勉強会をやってみよう」という軽やかな経緯から生まれた、いわば「ブルーカーボンのプチ勉強会」で机に上がった、藻場の物語をレポートしていきます。
もくじ
ーはじめに
1ー塩谷菜々子さん:大学院で研究する、藻場再生における市民評価について
2ー岡田謙一郎さん:NTTドコモビジネス株式会社として取り組む炭素貯留ビジネス・アオリイカ産卵床の実証実験について
3ー岡川直さん:逗子・小坪(こつぼ)で実証実験するカジメ再生、ウニの蓄養について
4ー山木克則さん:葉山アマモ協議会副代表、研究者兼実践者として見えてくるブルーカーボンについて
5ー池田陸郎さん:カーボンクレジットのしくみや制度、先行事例について
6ー飯盛豊さん:南三陸いのちめぐるまち学会の事例から見る視点について
塩谷さんーー藻場の恵みを中・長期的に守っていくために、市民をどう巻き込んでいけるのかを調べたい。
塩谷菜々子(しおたに・ななこ)
上智大学大学院地球環境学研究科修士2年。福岡県糸島市出身、東京在住。幼い頃から海に親しんできたことから環境問題に関心を持つ。学部時代はレイチェル・カーソン『沈黙の春』を中心とした環境文学を研究。学生団体でのビーチクリーンや環境啓発活動を経て、「意識に訴えかけるだけでは環境問題は解決できない」という気づきから大学院に進学。現在は仕組みの変容を目指して、神奈川県を対象に藻場の生態系サービスに対する市民評価を定量的に明らかにする研究に取り組んでいる。
様々な環境の変化によって、藻場が減少しているという問題があります。こうした現状に対して、日本ではブルーカーボンの創出に着目して、藻場保全を行っていくという方向で、政策や活動が推進されています。
しかし、藻場が持つ価値というのは、炭素貯留だけではなくー生物多様性の保全や漁業管理など多様な機能があります。なので、より多様な機能を総合的に評価した上で、藻場保全の活動や政策を検討していく必要があるというふうに先行研究では指摘されています。
塩谷さんが大学院で研究しているテーマは「藻場の生態系サービスに対する市民評価と保全のあり方に関する研究ー神奈川県を対象として」。生物多様性の保全、水質浄化、食料供給、炭素貯留など人間が自然から受け取っている恩恵を「生態系サービス」と呼びます。これを市民がどう評価し、藻場の保全にどう関わっていけるのかを、アンケートによる仮想選択実験(コンジョイント分析)を用いて数値化しようとしています。
塩谷さん:福岡で藻場保全の活動に少しだけ参加させていただいたことがあるんですけど、そこで藻場保全というのは沿岸部の方々がやっていること、沿岸部の方に負担がどうしても強いられているという課題を感じたんです。生態系サービスというのは、生きている人間全員が受けている恩恵なので、全員が負担を平等に受けて自然環境を保全していけるような研究がしたいと思って、このテーマを設定しました
学術的にも、藻場の研究の多くはこれまで「炭素貯留にどれほどの経済価値があるか」の推計に重点が置かれてきました。しかし、市民がどんな生態系サービスを重要だと評価し、どう保全活動に巻き込んでいけるのかという視点の研究は少ない、と塩谷さんは言います。

塩谷さん:藻場保全における地域コミュニティの重要性を指摘している論文は非常に多いんですけど、実際どうやって市民を巻き込んでいくのか、経済的な価値をどう保全に活用していくのかという観点で書かれた論文はまだまだ蓄積がない。市民がどのような生態系サービスを重要だと評価しているのか。市民がどのような藻場保全政策を重要視するのか、藻場保全活動に巻き込むにはどういう要素が必要なのか。この2つを明らかにしたいんです。
対象地域を神奈川県に定めた理由もはっきりとしています。横浜ブルーカーボン・プロジェクトなど全国的に見ても先進的な取り組みが進む地域であり、ここでの成果を全国的な事例として発信できるのではないかと。
会場からの反応もさまざまでした。
山木さん:神奈川県ということは、横須賀市とか三浦市もブルーカーボンの取り組みがあると思うんですが、そういったところにも取材に行かれたりするんですか?
塩谷さん:もし可能だったら行きたいんですけど、メインはアンケート調査なので、そこまで時間が割けるかどうかという感じです。
池田さん:紹介とかってできる方はいるんでしたっけ?
山木さん:紹介できますよ。突撃したら答えてくれると思います。結構みなさん一生懸命されているので。
他の参加者からは、真鶴の岩漁業協同組合とNPO法人ディスカバーブルーで地域・研究者・ダイバーが連携する事例が紹介された。そこでの植え付け体験&レクチャーイベントに満員御礼の反響があったという体験談も。神奈川県水産技術センターが県内の藻場調査や助成金支援を行っているという実務的な情報もこの場で、研究へと、みんなの知見が寄せ集まりました。
岡田さんーーCSRの先をゆく。docomoが取り組む「炭素貯留ビジネス」最前線
岡田謙一郎(おかだ・けんいちろう)
NTTドコモビジネス株式会社・ビジネスプロデューサー。逗子コミュニティパーク・クリエイティブディレクター。映像配信エンジニアとしてキャリアを築き、放送局の番組配信サービスや、東京2020大会に向けたスマートスタジアム化を推進。現在はコンテンツ配信×テクノロジーの知見を武器に様々な企業との事業共創を牽引、メディア業界から流通業、さらには第一次産業のDXなどへも取り組みを拡げている。
MizLinxと同社が取り組んできた長崎・五島列島でのウニによる磯焼け防止のための実証実験を受け、逗子ではブルーカーボン創出に向けアオリイカ産卵床や藻場再生のモニタニング実証に取り組んでいる。
NTTドコモビジネスの岡田さんは、様々な企業との共創を通じて生み出した事業コンセプトについて、その社会実装を目指していく、同社ではCatalystと呼ばれる専門家として活動されています。
岡田さんは「GXをCSR(企業の社会的責任)にとどまらせず、なんとかビジネスにしていきたい。」と意気込みから話を切り出しました。
岡田さん:docomoグループとして、通信やデジタルの力でもっとお役に立てないかなという思いがあります。なので我々が稼ぐというよりかは、地域を含めて全体でビジネスを回していく仕組みをつくって、それによって取り組みが持続的なものであってほしいなと思うんです。
同社はすでに、全国の農家さんや企業と連携することで、水田由来や、森林由来のカーボンクレジットを生成・流通する事業を進めています。
岡田さん:牛のゲップで有名なメタンガス、実は水田で水をはっている状態でも発生しています。温室効果ガスの中でメタンガスの割合は小さいんですけど、温室効果の影響としては非常に大きい。これを減らすのはとても大事な取り組みです。
メタンの温暖化係数(分子あたりのCO2を1とする基準)は28。つまりCO2の28倍の温室効果をもつガスです。
[日本での農業分野の温室効果ガス排出量は2,423万トン。うち「廃棄物・エネルギー・家畜排泄物管理分野」はあわせて26%。「牛のゲップ由来のメタン排出」は30%。なんと「稲作(メタン)」は両者を上回り44%となっています。(2023)]
そんな、稲作でのメタン排出を減らすためにdocomoグループや国が注目するのが「中干し」です。
[中⼲しとは、⽔稲の栽培期間中、出穂前に⼀度⽔⽥の⽔を抜いて⽥⾯を乾かすことで、過剰な分げつ(根元付近からの枝分かれ)を防⽌し、成⻑を制御する作業をいう。分げつが過剰になると、穂に⼗分な栄養が⾏き届かず、収量や品質の低下を招く。逆に、強すぎる中⼲しは根を痛め、幼穂形成期以降の⽣育を阻害することにより、収量の低下を招く。また、寒冷地では地温が低下しやすくなるため冷害の原因となる。
水田からメタンの発生する要因は、⼟壌に含まれる有機物や、肥料として与えられた有機物を分解して⽣じる⼆酸化炭素・酢酸などから、嫌気性菌であるメタン⽣成菌が働くためだ。メタン発⽣を減らすには、水を落とす期間を⻑くすること(=中⼲し期間の延⻑の実施)が重要。]
(令和7年農林水産省の資料を参考)
「水を減らすと収量に影響があるとか、そもそも水を抜いたというエビデンスをどう把握するんだろう?という話があって...」と岡田さん。そこに水田センサーや通信技術をもって取り組むことで、カーボンクレジットを生成する仕組みを提供されています。クレジット収入の多くが農家さんに入るビジネスモデルとされたケースもあります。
岡田さん:GHG削減という取り組みが、単なる環境アクションではなく、一つのビジネスになってきたかなというところです。
アイゴが藻場を食べ尽くすなら、アイゴを食べるアオリイカを呼んでみよう。

この活動を海へも展開できないか、と目論みはじめたのが出発点となりました。紹介されたのは二つの実証です。
一つは長崎・五島列島。ウニによる磯焼けが深刻な海域で、2年前から海洋モニタリングなどを手がけるスタートアップ企業のMizLinxと組み、海底の映像をAIに読み込ませてウニの分布をヒートマップ化する取り組みをされています。
もう一つが逗子・小坪でのアオリイカ産卵床モニタリングです。5、6年前から漁協やマリン事業者、行政が連携し、逗子の山で切った木を海底に固定してアオリイカの産卵を誘発する取り組みを続けてきましたが、実際に海底で産卵が起きているかどうかの確認は難しかったそう。
その頃、NTTドコモビジネスはある総合商社とお互いの強みを生かしてなにかできないかと考え、電波も電源もない海底で長期間の高画質定点映像撮影を実現する、MizLinxモニターを持ち込んだ。それは昨年の春から。

岡田さん:小坪漁港沖の500メートルぐらいのところに、山から切ってきた木にあります。この白いのが卵ですね。イカがかなり回遊してきているのが綺麗に撮れました。見ているとオスとメスの「つがい」で来てるんだなというのがわかります。
去年の5月17日、台風並みの低気圧の接近で風速20メートルを超え、船はとても出せないような環境下でも、カメラは撮影に成功することができました。「天候が要因なのかはわかりませんが、濁った海底の中で、おそらく撮影期間の中で一番イカが回遊していた映像でした。」と岡田さん。

アオリイカ産卵床の様子はMizlinx公式YouTubeからも見ることができる。上のイカがオスで、下がメスのつがいだ。

電波も電源もない海底でどのようにリアルタイム撮影をするのか? ソーラーパネルや通信機能・位置情報機能を詰め込んだブイを海上に浮かせ、特殊なケーブルで海底のカメラと通信を行っています。この「MizLinx Monitorブイタイプ」を小坪では海底7mほどの領域に2台設置。

MizLinxによるアプリケーションによって、Web上にこのような形で海の様子をみることができる。
今年の春には、神奈川県水産技術センターとの共同検証も行われました。相模湾の磯焼けの大きな原因の一つが食害ですが、「アオリイカがいる環境だと植食動物が近寄らず、カジメなどがあまり食べられないんじゃないか」という水槽実験の仮説を、実際の海でフィールド検証する試みでした。
岡田さん:結論を申し上げると、設置して10日ぐらいで台風通過後の高波によりカメラが故障してしまって、自然相手のことですので...正直、苦しみながらやっています。試行錯誤中ですね。あまりいい結果は得られませんでした。ただ今年は去年と違って「ネンブツダイ」が大量に回遊しているのが多く撮影されまして、南国っぽい海になってきてしまっているのかも?と...そんな映像が取れました。
発表の最後に岡田さんが話したのが、NTTドコモビジネスとしての役割と、漁業者への想いでした。
岡田さん:私たちが提供できるのって何かしらのデジタル技術なんだろうなと思ってます。海洋環境に対しては、その出口がまだ見出せていません。はじめは水産業のためになんとかならないかなって思っていたのですが、ビジネスとしてのいまの狙いのブルーカーボンクレジットです。クレジットの収益と藻場の回復を両立させ、結果的にデジタルの力で漁獲が回復するような、そんな仕組みにできたらいいなと思っています。
岡田さんの発表後、会場からは、ASC認証やMSC認証の取得に苦戦している漁業者の話や、東北大学のチームが南三陸で進めている環境DNAと海洋モニタリングを掛け合わせた資源回復評価の事例も紹介され、デジタル技術と経済価値をどう接続するかという議論が交わされました。
岡川さんーー地域の企業が、地域の海を育てていく。カジメを育て、ウニを蓄養。逗子・小坪の試行錯誤
岡川直(おかがわ・なお)
北海道函館市出身。大学卒業後、金融業界に就職し、国内勤務を経てロンドン、ニューヨークに赴任。ロンドン駐在中に現在の妻と出会う。2003年にニューヨークから帰国し、妻の実家が営む高幸建設に入社。その後、同社の経営を担い、現在に至る。
岡川さん:気温上昇を1.5度に抑えるにはあと4,000億トンの排出量しか残されていない。これをどう抑えるかという中で、吸収源としてのグリーンカーボンとブルーカーボンがあります。実際、吸収源としてはブルーカーボンの方が大きい。藻場の役割は非常に大きくて、これがなくなると大変なことになってしまいます。
未来への危機感から切り出した岡川さん。本業は土木工事と社会インフラを築きメンテナンスを施す建設業の取締役ですが、「子どもたちの未来が少しでもよくなるように」という願いから、逗子小坪の海において藻場の再生の実証実験を始められている方です。
小坪近海では海温の上昇や食害が続き、2019年から地元有志によるウニの駆除が行われてきましたが、藻場の再生にはなかなか至っていないというのが現実。自生していたアラメすらも無くなっていたそう。
岡川さん:2023年に調査した時の画像だと、ウニしかいない状況で完全な磯焼けの状態でした。その前の逗子マリーナのちょっと奥の方は藻が茂ってたんですけど、昨年なくなりました。残念ながら。砂漠化がどんどん進行しているという状況です。
そこで岡川さんが着手したのが、カジメの陸上養殖と海中移植でした。
岡川さん:山木さんの大型カジメの配偶体を大量に培養できる技術をもとに、種苗を提供してもらって、ダイバーで海中に移植するということをやってみました。小坪マリーナの一部に水槽を置いて、海水を汲み上げて種苗の育成をやりました。2023年の12月6日にいただいて、育てていって、これが順調に育ちました。1月22日にはもう20センチを超えるぐらい大きくなった。育成・養殖については特に問題なかったんです。
岡川さん:1月27日に試験移植をやりました。水深15メートルぐらいのところに巻き付けて。7月23日、6月も大きくなってるねということだったんですけど、夏を越えていったらやっぱり全部なくなってました。逗子マリーナで試したものもなくなっていた。水温もあるでしょうし、食害もあるだろうと...
陸上養殖だけでない活用としてたどり着いたのが、ウニの畜養だったと岡川さんは言います。ウニは増えすぎてしまい、今藻場を食い尽す。捕獲するものの、実があまり入っていないのが逗子葉山でのあるあるとなっていますが...
岡川さん:最初は簡易移植という形で、プラスチックのコンテナに入れて、専用の餌を入れて育ててみました。そうするとちゃんと実が入るということで、次は大型陸上水槽で蓄養してみようと、ウニを200個から300個ぐらい入れた結構大きいものを作ってやってみたんですけど、ばらつきが出ちゃう。それで合同会社こつぼという会社の養殖場で陸上養殖をするようにしました。実はいっぱい入れるとストレスで死んじゃうんです。適当な個数をちゃんと入れて、丁寧に餌をやることで、今は月300個ぐらい作れるような状態になりました。

今はそのウニを鎌倉のスペイン料理「アンチョア」さんへ毎週卸しているという。藻場再生における資金の、キャッシュバックとなっている。


ウニの蓄養の様子。ウニを間近で観察すると、ちゃんと餌を掴み、食べていることがわかる。
他にも岡川さんは、2026年1月には水産試験場からもらったカジメを、水深17メートルの地点にロープとカゴの二通りで移植したと言います。
岡川さん:大崎沖、マリーナ前も含めて4箇所、この辺は全部食われました。食害でやられてしまいました。カゴの中とスポアバッグに入れたカジメは一応まだ大丈夫でした。試験場から入れたものが残ってて、ちゃんと成長していました。食害対策でやれば意外とまだ残るのかなと、今は考えているところです。
畜養ウニの販売、Jブルークレジット、クラウドファンディング、環境教育・SDGs体験、企業スポンサー。今後に向けて複数の収益源を組み合わせることも模索しながら、藻場再生を「一過性で終わらせない」仕組みへと育てようと、今まさに取り組みが始まっていました。
山木さんーー葉山の海が“実験室”。今の葉山のブルーカーボン事情とは
山木克則(やまき・かつのり)
葉山アマモ協議会副代表・鹿島建設株式会社葉山水域環境実験場上席研究員。30年以上にわたりダイバー・研究者として葉山の海に潜り続けてきた。2006年に発足した葉山アマモ協議会の副代表として、湘南漁業協同組合葉山支所、地元のダイビングショップ、葉山町立一色小学校の先生、子どもたちとともに藻場の保全・再生活動を続けている。
葉山アマモ協議会
湘南漁業協同組合葉山支所、ダイバー、地域のダイビングショップ、小学校、企業、ボランティア、そして葉山町も参加する協議会。活動は、藻場の保全再生、漁業資源の増殖、ブルーカーボンの創出、地域の環境教育、そして漁法やひじきの釜蒸しといった海の文化の継承などと多岐に渡る。
葉山町には、ウミウシをモチーフにした青と黄色のコントラストがなんともかわいいご当地キャラクターがいます。
その名は「ミューシー」。葉山町制100周年記念を期に誕生しました。海に棲息する生き物の立場から、海の環境を守る活動をされている人々に 感謝と敬意の気持ちを込めて 「キレイな海をありがとう!」 のメッセージを届けています。
考案者の大竹則彦さんも今回のプチ勉強会へと駆けつけてくれた1人。

「ミューシー」は写真の左から二番目に。
山木さんは、「かわいいし、おしりからしゃぼん玉も出すし、子どもたちからも大人気なんです。」と大絶賛し、会場がふっと暖かくなってきたところから発表は始まりました。
そんな、地域・葉山町で愛されながら「藻場の研究」の活動を続けられてきた、葉山アマモ協議会と研究の今に迫ります。
30年以上にわたりダイバー・研究者として葉山の海に潜り続けてきた山木さん。そんな彼がはじめに示したのは、地元の漁協に直接聞き取った、過去25年間の伊勢エビ・タコ・サザエ・アワビの漁獲量の推移グラフでした。

山木さん:ピークを100としてどのぐらい減ってるかというグラフです。一番変化があるのはアワビですかね。もう急激に減って、今ゼロに近いです。タコもここ10年ぐらいで減ってますね。今ほとんど日本で取れる、スーパーで売ってるタコはもうアフリカ産になってます。サザエも結構厳しいです。海藻を食べる貝類は特に藻場の影響を受けています。伊勢海老は比較的順調かな、8月に解禁になってますけど、そこそこ今年も取れてる感じです。
課題は今、水温の上昇が一番かなと思います。それに伴って、アイゴとかウニによる食害です。こういった食害が見えてきたのは大体2018年ぐらい。
「食害の種類も、年々変化していっている」と山木さんは言います。
山木さん:このくらい葉っぱが残っていれば翌年また元に戻ってました。ところが2020年代に入って、海藻の茎の根元も全部魚が食べてしまうことがあって、もう全くの磯焼けになった時代もありました。

磯焼けが進む葉山町沿岸の藻場の状況(2018 年)葉山アマモ協議会提供
2018年代は茎が残されていたけれど、近年は茎すら食べられてしまっていることもあるのだとか。そこで、山木さんは「配偶体を使った種苗生産技術」を2000年代くらいから研究し、実用化されています。特徴は地域固有の種苗にこだわること。

山木さん:さっき岡川さんが言っていた苗は、小坪に植えるので、小坪固有の種ですね。今も保存はしていて、いつでも種苗は作れます。県の試験場さんは三浦の方の種のカジメでされていますね。本当は各地の、小坪、葉山、三浦、とかいろんなところでみんな遺伝子が違うので、「それぞれの藻場固有のものを使った方がいいですよ」と言っているんですけど、場所によってはなかなか実現できていない現実もありますね(苦笑)
深場のカジメは、この地道な取り組みによって再生に成功しつつあります。
山木さん:水深16メートルから17メートルの深いところなんですけど、葉山ではこういう深い10メートル以上のところだったらなんとか持続的に増えています。ただ年末になると食べられてしまう。年末に食べられてしまうんだけど、その時にはまだ胞子を出してますので、また春また出てくるという繰り返しになっています。
「Jブルーカーボンクレジットを発行する、数少ない場所でもある。」
山木さんが副代表を務める葉山アマモ協議会では、カーボンクレジットのひとつ「Jブルーカーボンクレジット」を発行されています。その具体的な中身と申請推移について教えてくれました。
山木さん:ちょうど右上のグラフが葉山のブルーカーボンの申請量になりまして、このオレンジ色がカジメのブルーカーボンのトン数と推移を表しています。
カジメは特に2022年、23年、24年とだんだん増えていっていますが、25年は申請量が少し下がっています。

山木さん:カジメは24年まで順調だったけど、24年の冬にちょうど10月下旬から11月中旬ぐらいに食べられてしまって、一瞬でなくなりました。その後また25年の夏は復活をしてきました。冬の前に胞子を巻いてくれたおかげで、なんとか自立的に自然に増えてきてくれているんです。2026年はどうなったかというと、実は2025年の冬に食べられてしまったので1度ゼロになり、多分25年とほとんど変わらない申請量になるのかなと。
『ブルーカーボンブック』を片手にはじまった、日本全国での活動
藻場再生の活動は、葉山地元の一色小学校でも行われています。児童が地元のアマモの種子から種苗をつくる活動を、なんと15年以上も続けられています。
教科書となるのは、葉山アマモ協議会が制作したオリジナルの『ブルーカーボンブック』は、町内の小学生みんなに無料で配布。オンラインでも販売されています。


ー紹介文よりー
海、自然が好きなあなたへ。
「ブルーカーボン」とは、海藻など海の植物によって海中や海底に吸収/埋没されるCO2のこと。
葉山のブルーカーボンが、どんなかたちで生み出されているのかがよくわかり、葉山の海がもっと好きになる、環境にやさしくなれる、そんな一冊です。
仕様
B5 40ページ
企画・発行
葉山アマモ協議会
葉山まちづくり協会、また通販サイトでも販売しております。
https://hayama-bookstore.stores.jp/items/69e33e683ffd8e1c6ef66604

山木さんと本
この取り組みは全国からの問い合わせにもつながり、熊本県芦北町や宮城県南三陸町での藻場プロジェクト、愛媛県や宮城県の他地域でのクレジット申請へと広がっています。
山木さん:立教大学との共同研究で、芦北で学生さん、高校生とこういった藻場の再生活動を今一緒にやって、ブルーカーボンクレジットの創出も高校生たち自らが分析をしてやっているということで、これは先月総理大臣賞をいただいたそうです。

https://www.kajima.co.jp/business/env_portal/seaweed_bed/
(画像は鹿島建設公式ホームページより)芦北町での高校生の取り組みの詳細は、こちらに掲載されています。
山木さんは今後の展望として、カジメ・アラメのさらなる拡大を掲げますが、アラメはすでに葉山で一度消滅しており、種だけを保有している状態だと言います。
山木さん:ウニが年末になると食べてしまうので、そこをどうしようかっていうところですね。黒潮の蛇行も終わったので、今年はもしかしたらウニは来ないかな、来ないでほしいなと思っています。
葉山アマモ協議会でのクレジット販売価格は1トンあたり10万円。全国平均(約6万9千円)を大きく上回る価格で取引されていますが、彼らの活動には確実に、中・長期に待っている宝物が眠っていると言えるのではないでしょうか。
池田さんーーカーボンクレジットのしくみや制度、先行事例について
池田陸郎(いけだ・りくろう)
Permanent Planet株式会社代表取締役。全国の各種カーボンクレジットの創出やカーボン・オフセットの企画、Jブルークレジット制度の運営や普及活動(講演・研修など)に携わる。近年は上場企業やそのサプライチェーン企業や地方産業、自治体向けのサステナビリティ教育を通じて、社会・産業と自然環境のあり方を研究中。また、自然資源が富を生む社会づくりを目指し、生物多様性経営分野のフィールドワークビジネスを構築し、大手企業向けの視察研修などを開始。次世代のサステナビリティ意識と知識醸成のため、小中高生向けのサステナビリティ教育事業を実施中。株式会社大川印刷顧問。
PermanentPlanet株式会社を立ち上げ、現在は脱炭素にまつわる様々なコンサルティングを行われている池田さん。他にもデジタルグリッドという再生可能エネルギーを広げる電力取引企業での再エネ受給のマッチングや、バイオシートテクノロジーズという会社が扱う菌根菌を使った水田メタン削減技術の農業資材普及支援など、複数の事業に関わられています。
池田さん:水を抜いても収量が減らないような菌根菌、マイコスって言われている菌があるんですけど、そういう農業資材を全国の農家にまいて、今は外食チェーンとかがそういう菌で育てたメタンの出ない稲のお米を使ったりする活動を支援したりもしてますね。
池田さんのブルーカーボンとの関わりは、ジャパンブルーエコノミー技術研究組合(JBE)との事務的なお仕事だと言います。内側から仕組みを支える一員の立場でありながら、様々な企業とも関わられている知見が、この勉強会に積層していきました。
池田さん:技術研究組合っていうのは、企業や大学、研究機関などが共同で特定の技術に関する研究開発を行うために設立する、技術研究組合法に基づく非営利法人です。 今ブルーカーボンは技術研究をしている最中です。
過去には横浜市のブルーカーボン制度の運営や調査検討業務を受託し、これまで国立の海上港湾航空技術研究所からの委託でシステム運用の開発にも携わってきました。
Jブルークレジットとは何か
池田さん:クレジットって何よって話なんですが、CO2を出しちゃってる人が、減らしてる人から減らした量を買って出さなかったことにできるという、大人の理屈で動いてます。
義務を達成するためのクレジットとしてコンプライアンスクレジットというのがあります。Jブルークレジットはどちらかというとボランタリークレジットに近くて、カーボンオフセットみたいな社会的なアクションを起こしてCO2を減らしたことにしたいなという人が義務じゃないけど買いに走る、そういったところで動いている制度です。
炭素貯留の仕組みについても、丁寧に解きほぐしていきます。
池田さん:ブルーカーボンって海藻が育って、その海藻に炭素が貯留されて、食べちゃったらなくなっちゃうじゃんってよく話されるんですね。食べた分はクレジット化されてないんですね。皆さんがお手洗いに行って出したら、また空気中にCO2として霧散しちゃうんです。じゃあどこにクレジットが貯留されているかというと、海底の下、堆積物と言われているものです。マングローブとか藻場が繁茂することによって、そういった生物が炭素の泥を海底に蓄えるような形になっているんです。

ブルーカーボンのメカニズム(ジャパンブルーエコノミー技術研究組合より)
※光合成によりCO₂を取り込み、その後海底や深海に蓄積される炭素のことを、ブルーカーボンと呼ぶ。ブルーカーボンの主要な吸収源は、藻場(海草・海藻)、塩性湿地・干潟、マングローブ林があげられ、これらは「ブルーカーボン生態系」と呼ばれている。[環境省より参考]
池田さん:グリーンカーボンは樹木に炭素が固定されますけど、その樹木はせいぜい数十年しか炭素貯留の持続性はないんです。大木が腐ったらまた空気中に霧散しちゃいます。ところがブルーカーボンは数百年から数千年の間、酸素のない海底で炭素のまま固定化される。実はブルーカーボンって地球の中でも非常に炭素貯留能力が高いんです。海の中は見えないですけど、可能性を秘めているんです。
池田さんは、Jブルークレジットの計測から申請までを熟知していますが、レポーターの私を含めて大半の方は「難しそう」「めんどくさそう」、と手を止めたくなってしまうでしょう。
しかし池田さんは「めんどくさそうですけど大丈夫ですみたいな話をしています!高校生でもできたことだから、そんなに難しいことではないということかもしれません。」と。方法としては、すでに繁茂している箇所をレベル別に分け、その状況に従って炭素が貯留している量を計算。「実測値でやっている」と意気込みます。
そんなJブルークレジット創出事例は各地に広がりつつあります。三重県南伊勢町・紀北町では計26箇所を集めて年間3.9トンを創出。沖縄では、もずく養殖のノウハウを紙で漁師から漁師に伝えてきたアナログな技術を、凸版印刷がデータ化することでクレジット創出につなげていったそう。
池田さん:勝連漁協さんでは、もずくの育て方のノウハウを紙で漁師から漁師に紙や口頭で伝えていたところ、そのデータを記録し、もずくの収量も全部管理して、誰でももずくを上手に育てて収量確保できる技術を凸版デジタルさんとしてやりますよというところで、さらにそのデジタルデータがあればブルークレジットできるじゃんみたいな形で生み出したという事例です。

(TOPPAN公式ホームページより)https://www.holdings.toppan.com/ja/news/2025/01/newsrelease250115_1.html沖縄のモズクブルークレジットの詳細はこちらに掲載されています。
飯盛さんーー南三陸に学ぶ、“人が混ざる”仕組みのつくりかた
飯盛豊(いいもり・ゆたか)デジタルサーフ株式会社代表取締役。通称「チャーリー」。渡米しシリコンバレーで広告テクノロジー企業(現Google)のディレクターを務めたのち、帰国後はWPPグループの広告代理店でデジタルマーケティングに携わる。現在は企業や学校でシステム思考・デザイン思考の研修を手がけながら、慶應義塾大学の研究員。住友重機械工業のイノベーションカタリストも務めている。
社会のルール「レジーム」を読み解き、どこから介入するか
チャーリー:僕が主にやっているのはシステム思考とかシステムズエンジニアリングを活用して、どういう風に社会を変えていくかということです。今も世界で最大の社会課題があるんですけど、一番大きな課題をなんで解決できないのかというところを捉えていくと、今も社会の中で形成されているルール、僕らは「レジーム」と呼ぶんだけど、そのレジームが形成されているところに新しいイノベーションとか新しいサービスを生み出しても、そのレジームをどう紐解いて、どこからどう介入させるかというところを紐解かない限り、正面でイノベーションを起こしたところで介入ができない。何も変わらないんです。
紹介されたのは、チャーリーさんが修士研究のテーマでもある、宮城県南三陸町で開かれている「いのちめぐるまち学会」。運営を担うのは一般社団法人サステナビリティセンターで、東北大学の研究チームや企業も加わりながら、継続的な議論の場として何年も積み重ねられてきているそう。

(南三陸いのちめぐるまち学会ホームページより)
チャーリー:山でやれることはなんなんだろう。じゃあ海の方から見たときの山に対して、何ができるんだろうかーそういったところをすごく注目したときに、ここに研究者の方がいたりとか、ここに市民や農家さんがいたり、非常にカオスな状態で面白いセッションをしているのが特徴になっています。
ここは研究者だけの専門のアカデミアの学会とは異なる、ちょっと異質なもの。地域に住んでいる市民の方、一次産業に携わっている漁業の方、林業の方、企業の方、そういった方々が混ぜ混ぜで、地域における課題を一つのテーマとして提供して、いろんな目線で議論していきながら解決する糸口を見つけていく学会です。
「前夜祭があって、そこで地域の妖怪の話をお酒を飲みながら語るとか、すごくユニークなところ」とチャーリーさんは言います。
その上で、「混ぜ混ぜが大事だ」と淡々と語り尽くすチャーリーさん。台湾から黒潮でつながるゲストを招いたセッションもあったと、好奇心が音を立てるように伝わってきます。
チャーリー:黒潮がつなぐ、台湾から去年お客さんが来ていて、台湾と南三陸の生態系が何が違うかみたいなお話をしたり。ウェブ会議で向こうの台湾のすごい偉い方だったと思うんですけど、メッセージをいただいたりとかですね。
会費の仕組みも紹介されました。企業が会員として参加費を払い、個人も参加費を払う(学生は1000円程度)ことで、学会単発のイベントで終わらず、年間を通じた情報発信のウェブサイトを持つ継続的な議論の場として機能しているという。
チャーリー:南三陸町を参考にして、3つ要点があります。
1つは、人が混ざるということ。カオスな状態、いろんな人たちが混ざって地域を考えることがまずあります。
2つは「自然がめぐる」ということです。森から海までの巡りと、人の仕事とか暮らしのつながりを地域全体で考えていくということですね。
3つは、研究を実践するということ。東北大が中心になっていますが、得られた知恵を具体的な活用の仕組みに変えていく。研究者は1年間何かのテーマを研究されてまた戻ってきて、発表。お互いに研究者同士が情報交換しているとかっていう姿が見られているというところで。非常に活発な活動なんです。
ー各登壇者の発表はここまで
それぞれの持ち場から
会の終盤、地元・逗子市の参加者からはこんな発言がありました。
逗子市の職員さん:行政として何ができるのかっていうのはすごく考えていまして、ただちょっと規制をしてたりとか、逆に邪魔してるんじゃないかみたいな部分もあったりするのかなと思っていますので、それをうまく間に入ったりしながら、皆さんと一緒に前に進めることができたらなと、改めて思いました。
地元ラジオ局の方:今日は皆さん本当にありがとうございました。コミュニティとしての役割っていうものを今日改めて痛感させられた気がします。もう少し皆さんといろいろコミュニケーションをとって、いろんな魅力的なものが溢れている地域だと思いますので、それをコミュニティ放送なりの発信力で皆さんにお届けしていきたいと思いました。
この日話されたことから、明日がいますぐに変わることはないかもしれません。カジメは今年もウニに食べられるかもしれないし、Jブルークレジットの制度はまだ複雑で、企業がどこまで本気でオフセットしているのかも見えづらい。県と市の間で許可の解釈が食い違い、現場の負担が増えているのではというリアルな実情もあるようです。
それでも、塩谷さんは市民から見える藻場保全の価値を数値で探ろうとし、岡川さんは海底移植とウニの畜養で収益を再生へと回そうとし、山木さんは25年分の漁獲データと種苗提供という技術を続け、池田さんは制度の裏側を一つひとつ言葉にし、チャーリーさんは南三陸の事例から「人が混ざる」仕組みと構造から抜け出す鍵をを持ち出した。そう言えるはずです。ここまで読んでくれたみなさんも、次はどこかの現場で"混ざる"番かもしれません。
編集後記
「あー美味しかった!」浴びるほどの情報を聞いたあと私たちは、小坪で採れた新鮮な魚介類を、現役漁師が営む食事処「漁師の店 まさかり丸」で頂きながら歓談していました。
タイ、ヒラメ、サザエ、イセエビ、ワカメごはん、ビールに日本酒...「美味しい」の裏にある、「海」が心に染み渡ります。

裏話や質問も、食事を囲みながらがやっぱり捗ります。そして池田さんは、乾杯の前の挨拶で、ある宣言もしていました。「2年後、逗子・葉山で南三陸いのちめぐるまち学会のような学会を、楽しく多様な方々とつくります!」と。
「+小田原もやりたいです!」
そんな声も上がった、何かが始まる夜。
インターン生として、マガジンのライターとしてとても思い出になりました。みなさんは、いのちめぐる未来に向けて何をしますか?私は畑をつくり、森に手を入れたいと思います。

この記事を書いた人
リジェネラティブデザイナー/江澤哲哉(19)
生まれた時よりいい地球に!をテーマに、日々模索している大学生。“足元から人も地球もずっと元気でいられる世界をつくること”を目指して、さまざまな実践者を訪ねながら学んでいます。本マガジン「social roots」を運営する。著書に『この星と僕のあいだに境界線はなかった」がある。岡山県美作市で活動する一般社団法人「と或る農園」の代表理事。



















